その昔 1年半くらい前、雑誌などで「GR Digital」の名前は見かけてはいましたが、手に入れようとは思いませんでした。
画質については一眼レフに、利便性については一般的なコンパクトカメラに分があると感じていたからです。
それでいて10万円に迫るような価格 って考えられませんでした。
きっとマニアが喜ぶような、持ってるからエライ的な そういうものなのかな と その程度でした。
が、運命の出会いはおととしの暮れ。12月頃。
「EF50mmF1.8」の購入を依頼されてキタムラへ入った時の事。
ショーケースに入ってたGRD2。初めて見ました。
あー なんか すげー カッコイイ
しかも
3万円台!? マジッスカ!!??
で、買ってしまった訳です。
初めは、露出がマニュアルでいじくれて、AEロックなどの一眼レフ並みの機能が使えるとても優れたコンパクトカメラだ って風に思っていましたが、使い込むたび、この「GR」という道具の 魂 と言いますか、GRDを創造されたエンジニアやフォトグラファーの 哲学 のようなものを感じてくる訳です。
気付いた時、一番 おおぉぉ とビビったのは、「28mm単焦点」の意味。
言うまでもなく、「スペック的な」GRDの特徴は「28mm単焦点レンズ」である事です。
この28mmのGRレンズが「GRD」の中心であり心臓であり魂であり、この「レンズ」に、他に必要な最低限のもの(センサーやカメラボディ)がぶら下がっている そんな「道具」なのです。
GRDは高感度に強くありません。ISO400が何とか使える程度で、ISO800なんてクタクタな画しか吐けません。
当然のように手ぶれ補正も付いていません。きちんとホールドしないと余裕でブレます。
が、それらの「欠点」とも思えるような事を「28mm単焦点レンズ」が補い、補うどころかプラスとなる領域まで持ち上げる事が「GRDという思想」なのです。
まず、単焦点レンズなので「明るく」作る事ができます。
「三脚を使わない事」「手持ちで撮る」が写真撮影の基本となった現代、一般的なデジカメは「高感度」特性を上げる事により、シャッター速度を稼いで「手持ち撮影」に応えるアプローチを取っています。
が、GRは高感度に注力するよりも、「明るいレンズ」を搭載するアプローチを取る事で、シャッター速度を稼いでいます。
旧来の35mmフォーマットに28mm画角でF2程度の開放F値のレンズを搭載した場合、被写界深度が浅く、せっかく明るいレンズを搭載しても絞って使う必要があると思われますが、センサーの小さなGRDはF2程度でも被写界深度が深く、絞らずとも使える訳です。
更に、28mmという画角のお陰で手持ちでも1/10秒程度あれば手ブレせず、マクロ撮影でさえ手持ちでイケる、と。
あるGRDユーザーの言葉
「GRD以外のカメラをナイフに例えれば何でも付いている十徳ナイフ。GRDはシャープな歯が付いているだけのカスタムナイフ」
完全に納得。
説明書に書いてある事ではありませんが、「GRD」はユーザーにそんな事を少しずつ教えてくれるのです。
「写真を撮る事の本質」を少しずつ。
もっと言えば、ズームなどできない「28mm単焦点」なので必ず被写体に「寄って」撮る事も学ばされます。
露出は常にスポットで正確に測ればいい というものではない という事も、「光と影」しか撮れないモノクロの妙味も、素晴らしい被写体は日常の中にたくさんある という事も。
道具としての素晴らしさは、それを産み出す思想・哲学の素晴らしさに他なりません。
GRDは、カメラ・写真を愛する人のために、「ものつくり日本」の創造的精神によって産み出された、最高のデジカメだと思います。
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